からだと言う「個性」に気が付くことの意味(自分の身体リテラシーを上げよう・その3)

前回を書いて以来、下書きのままで、間が空いていた、この内容。
さあさんの、正座が出来ないデッサン人形・ボディくん(※欲しい)についてのフェイスブックへの投稿をきっかけに、投稿します。

前回の身体リテラシーの話で、「ブログやメルマガで、身体についてのよくある勘違いについて書いているので、『そんなに書いてたらお金を払ってセッションに来てくれる人がいなくなるのでは』とか時々言われますが、そんなことは全然ないんです。書いているのは、みなさんに通じる一般論です。でも、身体はひとりひとり違います。でも、どんなに違うかということは、自分だけを見ていたら分からないんです。」
・・・と、書きました。

今までに何回かあった例として、関節の可動性の個人差、というのがあります。
キネステティク・クラシックの中では、姿勢についての話があり、その中で片膝を立てる姿勢「片膝立ち」をとることがあります。片膝立ち
人形の動きの範囲が限られているので、実はこれは正確なキネステティク・クラシックの片膝立ちではないんですが、こんな感じの姿勢です。
私、この姿勢について、キネステの講習に二回目くらいに参加したときに、初めて気付いたことがあるんです。

世の中の大半の人は、この人形で言うと右足でしているように下腿の脛側を床に付けても、足首辺りが、浮くんですね。
でも、私、下腿の脛側を床につけたら、膝から足の甲まで、ほとんど隙間ができないのです。

これは、私の足首の関節が、標準的に動く範囲より多く動いてしまうことによるものです。これは、関節の過伸展と言われ、どちらかというと女性に多く、しかも、一カ所が過伸展になる人は、他の関節も過伸展になりやすい傾向があります(私調べ)。
ということなので、脛側を床に着けたときの隙間はできる方が普通、というか多数派。でも、私は自分が隙間無くくっつくので、キネステをやって人をまじまじと見て比べるまでは、みんなくっつくんだと思っていました。
で、この過伸展、逆もあります。伸展の角度が、標準より狭い。そうすると、脛側を床に付けたときに、隙間がたくさんできます。片膝立ちのときは隙間がたくさんできるだけなんですが、これで正座をしようとすると、どうなるでしょう。

正座は、脛側を床に付けて、そこから重さが流れる状態にして、お尻を乗せる座り方です。足首の過伸展があって脛側がぺったり床に着く人や、普通にしてたら足首部分少し隙間が開くけど、重さがかかって伸ばされても辛くない人は、正座をするのが苦痛ではありません。

でも。脛側を床につけたら隙間がたくさん開く上に、重さがかかっても伸びないというタイプの人は、正座をしようとすると、痛かったり、つらかったりします。
足首の浮いた部分にもう片方の足を重ねて座ることは出来ます。
でも、「きちんとした正座」は、出来ません。無理矢理やろうとすると、非常に辛いことになります。
そういう人に一律に「足を重ねないできちんと正座しろ」と言うのは、拷問なんですよ。

正座に限らず、このように、何かの動作を「やれ」と言われてやろうとしても、身体的な個性でできない子が居るんですよ~。
こういうのは、学校の先生とかに知ってほしいです。
自分が出来るからってみんな出来るとは限らないんですよ~(と、五段階相対評価で体育2だった私は言いたい)。

ってことで。
「個性の尊重」とかなんとか言われたりしますが、精神的なことだけでなく、肉体的に本人にはどうしようもない個性もあるってことで。
身体は、もともとみんな違うんです。誰しも、どこかしら、多数派に入らないところがあったりします。それを、平均化したものに無理矢理にでも合わせろ!というのは、もともと身体が違うんだから、無理がある場合があるんです。
じゃあ過伸展傾向ならいいの?というと、過伸展は過伸展で、困ったことがあるんですよー。まっすぐ、がまっすぐにならないんです。
・・・というのは長くなるので、またの機会にします。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です