「キネステが使えるような余裕のある職場じゃないんです」という誤解・1

復習会の話、続きです。

昨日もちょっと出ましたが、昨日に限らず復習会や再受講でよく出る話のひとつが、「職場の状況に余裕が無いので、キネステの講座で学んだことが使えません」というご意見(っていうか愚痴か)です。
キネステティク・クラシックの講習の最後のほうの演習でやってみている介助は、たいてい参加者さんが「今、困っていること」なのですが、「キネステの考え方を使うとこんなこともできますね」の一部です。
同じようにやろうとしても、状況によってはできない場合もあるでしょう。
そういう時は小さいことで使える概念を探してみていただくことをお勧めしているのですが、その前に、どんな状況でも使うことのできる、キネステの考え方があります。
それは、「自分が無理をしていないか見て、できるだけ無理をしない」ということです。無理というとざっくりしてますが、たとえば、重力に逆らってないか、身体のデザインを無視してないか観察して、逆らってたり無視していたら辞めるということです。
実例を挙げると、仕事を始めてしばらくして、上半身だけ(手首から肩まで)いためた方がいました。理由は上半身の前面(※「前面」はキネステ用語です)だけでベッドに寝ている人を頭の方に動かそうとする動作をしていたことなのですが、この中で状況的に一番簡単に改善できそうなのが「上半身の前面だけ」という部分でした。
動かし方がどうという部分はどうしようもないということなので置いておいて、とりあえず手っ取り早い対処法は、立ったまま腰を曲げてベッドと寝ている人の間に手を入れて動かす動作をしているのであれば、股関節と膝をまげて腰を落として動かす動作をするようにします。
・・・って話していたら、思わぬところに話が転がりました。
長くなるので、続きはのちほど。

とりあえず、今日の誤解:
1.キネステの概念は、人を動かすときに使う前に自分が動くときに使う
2.人を動かすときにキネステが使えない(ように思える)場合でも、自分には使える
そもそもパーソナルレベルでは最初から最後までそれを伝えているのですが、お仕事で「誰かをなんとかしなきゃ」と思っている方は、ついそのことを忘れがちなのですね。
でも。
自分の「楽」無くして、人の「楽」の支援はありえません。
忘れたら思い出してください。
自分の楽は誰かの楽になりますが、自分の無理は誰かをほんとうには楽にはしません。

以下、明日以降の2に続きます。


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