エアーマットと褥瘡の話~「寝る」という活動と環境について・2

昨日の枕のお話の続きです。

どうやって書くか考えたんですけど、いっそそのまま、曽我さんと私のやり取りを読んで頂いたあとにキネステ的所見を付け加えたいと思います。曽我さんの説明はとても分かりやすかったので。経験に基づく分析が出来る人ってこういう感じなんですね。理論的な頭脳・・・うらやましいです。今の心のお仕事のときも、こういう風に客観的にクライアントさんのお話を聞いて、すぱっと分析されているんでしょうね。依存心を抱かせずに、それでいてしっかり頼りになりそうな印象を受けました。

昨日と同じ、青字の部分が曽我さんのコメント、黒字の部分が私のコメントと補足です。

「シェアご快諾いただいて、ありがとうございます!レンタルの会社の方とは担当者会議でちらっとお会いすることがあるくらいなのですが、手すりひとつでも動きやすさに関わるので、一度お話を聴いてみたいなあと思っていました。
福祉用具を勧める立場の方みなさんが曽我さんのように寝てみたり使ってみてすすめてくださってるといいのですが・・・
私、枕と同じ理由で、よほどのことが無い限りはエアマット反対派なんです。施術でベッドに上るたびに、これはソフトな拘束じゃないのかと思っています。あれで眠って生活できてる方はすごいです・・・」
「エアーマットのお話
そうですね、本当のところを聞きたいけどなかなか聞けない話ですよね

エアーマットの寝心地はよくありません
個人差も大きいのですが船酔いのようになる人もいます

では何故それを使うのか
やはり褥瘡(※ジョクソウ:いわゆる床ずれです)の問題です
できる理由についてはゆりこさんの方が専門なので割愛

福祉用具の面でだけお話します

福祉の先進国ではエアーマットをほとんど利用していないようです
日本だけ突出してエアーマットを使っている

あくまで私が思う1番の理由なのですが
介護用のリフトが普及していないからと感じています
先進国ではひとりに1台リフトを活用して起きあがったり、車椅子への移乗をさせて血流の滞りを防いでいる

しかし日本の介護の現場ではリフトに対して根強い否定感がある

人による介護神話です
もうひとつ私が感じているのは
エアーマットレスは褥瘡ができたときはすぐに活用したほうがいい
そして褥瘡が直ったのなら外して様子を見る

でもそれを提案しても褥瘡が出来るかもしれないという不安から却下されます

現実問題、褥瘡が出来るレベルのひとのマットレス交換はとても大変!というのもあります

福祉用具の業務形態にもよりますが
私の場合4つの市を受け持ち、100人以上の人を1人で抱えていました
ま、結果倒れたんですが(^^;)

そんな現実があるのでエアーマットレスをこまめに交換するのは難しいというのもあります

という業者として諸事情はあるものの
それは置いておいて

目の前にいる人の最優先課題はなんなのか?
ってことですよね
介護認定を受けていない人にエアーマットレスを実費でレンタルしたことがあります

睡眠薬を飲んでいて(精神的なもの)眠りが深いのと、もともと寝返りをうたないひとらしく踵や腰に褥瘡が出来て困っているとのことでした

起きてしまえばゆっくりながら普通に主婦業をしていらっしゃいます
なので介護認定は受けられず実費で

いろいろお話をうかがうと
寝心地の悪さは睡眠薬で分からない
それより褥瘡があることのほうが日常に支障をきたして困る

結果レンタルをやめて購入され元気に過ごしていらっしゃいました
寝たきりの人にこれを当てはめるのは無理があるとは思いますが
しかし寝心地の悪さと、褥瘡によって体の一部が壊死していくのとどちらをとるか
そういう意味では共通点があるかと思います

今はハイブリッド型のエアーマットレスも出てきています
必要な部位のみエアーになっているようなものとか
体の部位によって堅さの違うものとか

それらを上手に活用することで避けられることも沢山あるでしょう

これらが私が現場にいて感じたことです

お役に立てると嬉しいです」

 

曽我さんのこのお返事を拝読して、何度「ほんまそれーーー!!!」と、膝を打ったことでしょう。
おっしゃる通り、最初からエアマットに寝ている方はほとんどいません。
何らかの理由で動けなくなっていわゆる寝たきりの状態になり、褥瘡ができかける。
褥瘡の出来る原因のうち最大のものは、特定の場所にずっと圧がかかり続けることなので、圧を分散するためにエアーマットを入れる。そうすると、ほとんど動かなくても圧が分散されるので、褥瘡はできにくくなります。

では、エアーマットを使わない場合は、どうしているか。
病院やいろいろな形態の居住型の介護施設では、夜間も自分で寝返りを打てない人の褥瘡予防のための、2~3時間おきの体位変換があります。つまり、看護師さんや介護士さんが、寝ている人の体の向きを変えて周るのです。介護施設で働いていた身内が「褥瘡ができるのは介護者の恥」といっていたように、また、曽我さんが上で述べられているように、人的資源に頼った褥瘡対策が行われている訳です。看護師さんや介護士さんに夜勤があるのって、そういう理由があるって知ってましたか?私は、この仕事につく前の、そこまで考えていなかった若かった頃は、病院に祖父母のお見舞いに行ったりした時でも、「何かあったときの為に夜勤ってあるのかなー」とか思っていました。
でも、体位変換のことを考えると、何も無くても・・・っていうか、何も無いために、夜勤はあるんですね。ただでさえ大変なお仕事なのに、こういう一面もあるなんて、ほんとうに頭が下がります。

というように、現時点で行われている動けない方の褥瘡予防には、かなりの労力が割かれています。
まったく動けなくて、褥瘡ができそうな場合、それもご家庭で介護していて人の力に制限がある場合など、私もエアーマットを入れることに反対はしません。
そして、動けるようになったらエアーマットをはずす、という曽我さんのご意見にも、まったく賛成です。

賛成の理由、キネステ的にも説明できるんですが、最近担当することになったクライアントさんのお話がこれまた「ほんまそれーー!!」だったので、明日はその話を書きますね。

曽我さんのブログからヒントを頂いたキネステの「環境」の話、まだまだ続きます。
曽我さん、本当にありがとうございます。

 

 


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