そのエアベッドに、座ってみたことありますか?(やってみてから考えよう)

梅雨ですね。梅雨時だからか、朝からどんよりしています。理由のひとつが、エアベッドです。正確にはエアマットを敷いたベッドなのかもしれませんが、とにかく、空気を入れることで体にかかる圧力を減らして床擦れ(褥創)を予防しようというベッドです。
なんで、それでどんよりするかというと、それを使っている利用者さんが何人かいらっしゃるのですが、エアベッドだと、動けないからです。

何回も言ったり書いたりしているので、知ってるよ!という方もいらっしゃると思いますが。
エアベッド、利用者さんも動けませんが、まず、健康なはずの私が、動けません。
私にとって今一番施術が大変なエアベッドは、ベッドの縁に足を下におろさずに乗っかって腰掛けると、お尻が滑り落ちそうになります。それを防ぐために筋肉を緊張させて使うのですが、これ、寝具ですよ。私は一時的に乗るだけですけど、寝具として使っている人は、生活の一部をそこで過ごしているのです。
更にどんよりに追い討ちをかけるのは、そこに寝ている方が、そこそこ動けるかたであることです。歩行を助ける器具を使えば、室内をお一人で歩けます。
なのに、ベッドから、一回で立ち上がれません。理由は除圧されてるからです。圧力がかからないということは、動くのに必要な圧力もかからないということです。
…ああ、どんより。
自分はエアベッドに寝ている人を介護したことはないのですが、介護される側になったとしたら、エアベッドは本当に動けない時期だけにして、あとは普通のベッドにしてほしい。
床擦れを予防する方法はエアベッドじゃないベッドでも他に選択肢がありますが、エアベッドに寝ている活動不足をなんとかする方法は、動くときに押せる場所を堅くするしかありません。宇宙飛行士の筋力低下には、特別なトレーニング機器が必要です。エアベッドに寝ていて筋力を保つためには、似たようなことが要求されると、考えてみてもらいたいものです。

ということで、誰かにエアベッドを使ってもらうことを考える前に、まず自分が寝て見てみませんか、という提案。横になるのが無理でも、せめて座ってみて、立ち上がりが楽かどうか、みてみてください。
エアベッドに寝ると、ほぼ例外なく、活動量は減ると思います。それをぜひ知っておいて頂きたいと思います。


2 Comments

  1. ある患者さんが『これじゃあ自分で動けん』と嫌がっておりました。
    確かに、動き辛いですよね。

    1. Yukiさん、ありがとうございます!病院でもそうなんですね。人手が少ないから仕方ないのかもですが、Yukiさんみたいに考えてくださる方が増えたら変わるかなと期待したいです。

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